08/12(木) 17:00〜19:30

岸野雄一(聞き手 : 吉田アミ)

盆踊りと民主主義



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チケット料金

会場参加 2,200円(税込み) + 1オーダー以上
配信/アーカイブ 1,650円(税込み)

イベント内容

※本イベントは会場(秋葉原和堂)での観覧、または配信(ライブ+アーカイブ)でご参加いただけるイベントです。

これは「SNSによって人間の性質というものが変わってきており、そのことに抗いたいという戦いです。」

岸野雄一を知らない人は「盆踊りと民主主義」というテーマに首をかしげ、共通項が見いだせないだろう。彼が「お祭り・盆踊り」のアップデートを通じて、民主的な社会を実現していけるか?を模索して実践しているという前提を知ればなんとなーくわかってくる。そもそも盆踊りって何だと思いますか? 町内のあらゆる世代の老若男女が集うお祭り。浴衣を着て、流れる曲に合わせて同じ方向に向かって同じポーズ、動きで輪の中をくるくる回って踊ること。そんなイメージではありませんか。初心者も玄人もとりあえず、その輪に入れば踊ることができます。動きを真似ればいいのですから。ステージに立ち、観られているわけでもない、参加者のわたしたちはいつでもその輪を抜けることができ、また、気が向けばその輪に戻ることができます。それを岸野は「原初的な喜び」と捉え、その愉悦を「支配する側の手に渡すな、自分たちの手に取り戻そう」と主張します。

この「盆踊り」というシステムがなぜ、民主主義を考えるきっかけになるのでしょうか? 気になりませんか? さてここで、SNSの功罪についても語っていかなくてはなりません。

6月16日発売されたばかりの新しい問いを考える哲学カルチャーマガジン「ニューQ・Issue 03名付けようのない戦い号」に岸野雄一が発表した「民主主義のエクササイズ」。発売前の雑誌の原稿全文をインターネット(note)に全文無料公開で発表し、発売後には有料化してしまうという実験がSNS上でも大きな話題となった。そもそもこの原稿は岸野がTwitterに投稿してきたつぶやきをまとめたもの。わたしたちはその多くのフォロワーたちがその断片をどういうかたちで見たのかわからない。後で読もう。賛同したふりをしよう。わかった気になろう……。震えるように面白い!なるほど!などと、知見を得たのかさえもわからない。しかし、その鋭い言葉たちはいいね!やRTの軽さの中で消費されるような問題提起ではありませんでした。

雑誌の副題にもなった「名付けようのない戦い」とは、SNS上に蔓延る気分と行動原理「責めても構わない対象への容赦ない呵責が加速する中、それに同調するか否かの表明による承認が可視化され、その結果、住み分けという名の分断と断絶、及びその対立が加速する世界において、いずれに与することなく、この世界を現実的に一ミリでも良い方向へ動かす」ことだと岸野は定義づけます。SNSだけのせいではありませんが、この世界の息苦しさを構成する「何か」が「ある」のは確かなわけで、そのことにみなさんは気がついている。でも、何も変化する兆しはありません。岸野には「変わらない」ことへの静かな怒りがあるのではないか。

いや、待ってください。あなたは今、「自分の生活だけで目一杯なのに、他人や社会の事を心配なんてできない」、そう感じていませんか。国や行政に相談することも大切ですが心の支えにはなりません。実際に困ったときに支えてくれるのは家族や仲間たちです。でも、SNSやオンラインゲームで作り上げた薄い関係の人があなたを救ってくれるでしょうか? 「#○○好きさんと繋がりたい」とインスタやTwitterで出会った人が仲間でしょうか? たしかに仲間や家族という親しい距離の人はSNSのようにかんたんにブロックできません。わたしたちは繋がりたくて繋がったのではなく、もう、繋がってしまっています。一方でSNSでの薄いつながりの人たちはすぐに切ることができます。失敗しても、相手を傷つけても。Twitterのアカウントを消せばあなたはこの世と無関係にもなれる。それはあなたも同じで、相手からもすぐに切られる可能性があるという関係です。そんな関係ばかりが広がっていくのは不安ではありませんか? この不安な中、岸野はこう言います「民主主義の演習を行う事が、私が盆踊りを通して行おうとしている大きな目的です」。今回のイベントの目的は、盆踊りという一見身近で誰もが知っているとっかかりやすいテーマから、わたしたちが社会とどうかかわっていくのか、なにが人間的な幸せなのかを見つけ出していくことです。その輪にぜひ、みなさんも入ってきてほしい。そして、これからの未来を考え、少しでもこの息苦しさから解放されるヒントを得たいと思います。

わたしたちは今、「名付けようのない、終わりなき戦いを、それぞれの場所で続けて、本来あるべき公助を取り戻しましょう。それが本当の意味での「政(まつりごと)」です。」

文章 : 吉田アミ

■ 注意事項

【会場参加について】
・会場はカフェのため、1オーダー以上のご注文をお願いいたします。
・最大50名まで入る会場で、最大人数を14名に絞り、座席間の距離を確保しております。
・当日、入り口で検温します。37.5度以上の熱がある方のご入場はできません。
・5日以内に平熱を超える発熱をされた方、咳・咽頭痛などの症状(軽度なものを含む)がある方、基礎疾患をお持ちの方、過去2週間以内に感染が引き続き拡大している国・地域への訪問歴がある方は来場をお控え下さい。
・店頭に消毒用のアルコールをご用意しておりますので、ご入店の際に手の消毒をお願いいたします。
・飲食時以外はマスクの着用をお願いいたします。また、マスクを外した状態での会話はお控えください。
・状況によりオンラインのみでの開催とさせていただく場合がございます。ご了承ください。
・来場チケットをご購入した方も配信をご視聴いただけます。当日、体調に不安がある方は配信をご活用ください。

【配信について】
・ライブ配信はVimeoを使用いたします。Peatix上からご視聴いただけます。
・インターネット接続環境下のPCやスマートフォン、タブレットからのご視聴が可能です。
・配信を録画するなどして、再配信する行為は禁止いたします。
・配信中の画像をキャプチャして、SNS、ブログ等に投稿する行為は禁止いたします。
・ご利用の通信環境により配信の遅延が起こる場合がございます。
・配信はリアルタイムとアーカイブでご視聴いただけます。アーカイブの視聴は2021年11月30日までご視聴可能です。

【キャンセルについて】
・ご購入後のお客様都合によるキャンセルは承っておりません。何卒ご了承ください。

登壇者プロフィール

岸野雄一(きしの・ゆういち)

音楽家、オーガナイザー、著述家など、多岐に渡る活動を包括する名称としてスタディスト(勉強家)を名乗る。東京藝術大学大学院映像専攻にて「映画におけるサウンド・デザイン」の教鞭を執る。音楽レーベル運営として“Out One Disc”を主宰し、OORUTAICHIやGangpol&Mitなど個性豊かなアーティストをプロデュース。オーガナイザーとしてはSparks、Max Tundraなどの海外アーティストを招聘。アーティストとしては、音楽劇『正しい数の数え方』が文化庁第19回メディア芸術祭エンターテインメント部門で大賞を受賞した。近年では、都内コンビニにDJブースを持ち込んだ『レコードコンビニ』や、盆踊りをアップデートするプロジェクトが話題を呼ぶなど、常に革新的な『場』を創造している。
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吉田アミ(よしだ・あみ)

音楽・文筆・前衛家。1990年頃より音楽活動を開始。2003年にソロアルバム「虎鶫」をリリース。同年、Utah KawasakiとのユニットastrotwinとSachiko.MとのユニットcosmosのCD「astrotwin+cosmos」がアルスエレクトロニカデジタル・ミュージック部門のグランプリにあたるゴールデンニカを受賞。90年代から00年代にかけて世界的なムーヴメントとなった、いわゆる「音響」的音楽のオリジネイターの一人。CDアルバムを文筆家としても活躍し、小説やレビューや論考を発表。著書に「サマースプリング」(太田出版)、小説「雪ちゃんの言うことは絶対。」(講談社)がある。音楽家で批評家の大谷能生との「吉田アミ、か、大谷能生」では、朗読/音楽/文学の越境実験を展開。近年、舞台芸術の分野において独自の創作活動をこころみはじめている。
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イベントの時間

開場時刻 16:40
開始時刻 17:00
終了予定時刻 19:30



住所 東京都千代田区外神田6-14-2サカイ末広ビル地下1階
連絡先アドレス info.sengenbango@gmail.com


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